劇団を立ち上げようと考えたとき、最初に頭に浮かぶのは「役者をどうやって集めるか」という問題ではないでしょうか。小劇場の世界で新たな劇団を旗揚げするには、確かに演じ手となる劇団員の存在が必要です。しかし、実際に劇団を継続的なものにするためには、役者だけでなく制作スタッフの存在が極めて重要です。
小劇場のチケット予約管理に便利なクラウド型チケット予約システム トロクレチケットはこちら >>劇団員募集の前に考えるべきこと
劇団員募集を始める前に、まず自分たちの劇団がどんな集団を目指すのかを明確にしておきましょう。小劇場では、多くの劇団が主宰者のビジョンや作品の方向性を軸に活動しています。ですから、劇団員募集を行う際には、「どんな作品を作りたいのか」「どのくらいの頻度で公演を行うのか」「活動の拠点はどこなのか」といった基本情報をしっかりと整理しておかなければなりません。
また、劇団員募集にはコストや手間もかかります。募集告知を出す場所によっては費用が発生しますし、オーディションを開催すれば会場費や審査にあたる人件費も考慮しなければなりません。
劇団員募集の具体的な方法
劇団員募集の手段は多岐にわたりますが、それぞれに特徴があります。
SNSを活用した劇団員募集
最近の小劇場では、SNSを活用した劇団員募集はもはや必須と言えるでしょう。X(旧Twitter)やInstagram、FacebookといったSNSは、多くの演劇関係者が日常的に情報をチェックしています。劇団員募集の告知を投稿する際には、ハッシュタグをしっかり使うことで、より多くの人の目に触れるようになるでしょう。
具体的には「#劇団員募集」「#小劇場」「#演劇」といったタグを組み合わせることで、求める層にリーチしやすくなります。また、既に活動を開始しているのであれば、劇団の活動風景や稽古の様子を写真や動画で発信しておくことで、劇団員募集に応募しようか迷っている人に「この劇団の雰囲気は自分に合いそうだ」と感じてもらいやすくなります。
オーディション情報サイトを活用した劇団員募集
演劇専門のオーディション情報サイトや役者募集サイトも、劇団員募集のひとつの手段です。これらのサイトは、役者を目指す人にチェックしているため、劇団員募集の告知を掲載することで、質の高い応募者に出会える可能性があります。ただし、サイトによっては掲載に費用がかかる場合もあるので、予算と相談しながら利用することをおすすめします。
チラシやポスターによる劇団員募集
デジタル全盛の時代でも、アナログな手段は依然として有効です。小劇場のロビーや演劇関係の施設にチラシやポスターを掲示してもらうことで、実際に演劇を観に来ている人々に劇団員募集の情報を届けることができます。特に、同じ小劇場で公演を行っている団体同士のつながりを活用すれば、より効果的な劇団員募集が可能になるでしょう。
知人・伝手を頼った劇団員募集
新しい劇団の立ち上げ段階では、何よりも信頼できる仲間を集めることが重要です。その意味で、知人やこれまでの演劇活動で築いてきた人脈を頼った劇団員募集はとても良い方法です。いきなり広く公募するよりも、まずは信頼できる数名のコアメンバーを固め、そこから徐々に劇団員を増やしていく方が、長続きする劇団を作りやすいと言えるでしょう。
役者の劇団員募集だけでは不十分な理由
多くの場合、劇団員募集と言えば役者を集めることだと考えられがちです。舞台上に立つ役者がいなければ演劇は成立しません。しかし、小劇場で継続的に活動する劇団を運営するためには、役者だけではどうしても回りません。
劇団を継続させるためには、公演ごとの劇場手配やスケジュール調整、予算管理、広報活動、チケット販売の管理といった、いわゆる「制作」の業務が欠かせません。制作スタッフは、稽古場の確保から運営、出演者や他スタッフのサポート、様々な資料作成、SNSやWebの運営、チラシやプログラムの作成、会計業務など、多岐にわたる仕事を担っています。これらの業務は役者が稽古や本番に集中している間にはどうしても手が回らないものであり、だからこそ制作を専門に担当する劇団員が必要なのです。
小劇場の制作スタッフは、公演の上演中に舞台上にいる役者と舞台袖や舞台裏で稼働するスタッフが物理的に対応できないところを全てカバーする、いわば劇団の縁の下の力持ちです。制作の役割をしっかりと担う劇団員がいるかどうかで、公演のクオリティや劇団の持続可能性は大きく変わってきます。
制作スタッフの劇団員募集の難しさ
では、制作スタッフを劇団員として募集すればいいのではないか、と思うかもしれません。しかし、劇団を立ち上げる前の段階で、制作を専門とする劇団員を探すのは非常に難しいのが現実です。
経験のある制作スタッフはすでに何らかの劇団に所属していることが多く、新しく立ち上げたばかりの劇団に参加するリスクを冒そうとはなかなか思わないからです。また、制作の仕事は役者以上に経験とスキルがものをいう世界であり、未経験者がいきなり劇団の制作を担うのは難しい側面も否めません。
知人で制作している人に有料で頼るという選択肢
そこでおすすめしたいのが、知人で制作をしている人に有料で依頼するという方法です。劇団立ち上げ直後は、劇団員としての所属を求めるのではなく、外部の制作スタッフを有料で雇う形を取るのです。
制作を有料でお願いするのにはメリットもあります。まず、経験豊富な制作スタッフのノウハウを直接学ぶことができる点です。制作がどのように予算を管理し、スケジュールを調整しているのかを見ることで、将来的に自分たちで制作を担う際の学びとなるでしょう。また、最初から制作を劇団員として迎え入れようとするよりも、ハードルが低く、スムーズに協力関係を築けることも多いでしょう。
もちろん、有料で依頼するとなれば費用はかかります。しかし、それをコストではなく投資と捉えることが大切です。質の高い制作スタッフのサポートを得ることで、公演の質が向上し、集客にも好影響が出る可能性があります。結果的に、劇団のブランド価値が高まり、将来的な劇団員募集にも良い影響を与えるでしょう。
継続的な劇団員募集の考え方
劇団員募集は、一度行って終わりというものではありません。劇団の成長に合わせて、常に新しい人材を受け入れる体制を整えておくことが重要です。
小劇場では、メンバーの入れ替わりが比較的頻繁に起こります。学生劇団から社会人劇団に移行するタイミングや、メンバーの転勤や家庭の事情など、様々な理由で劇団員が離れることがあります。そうした状況に備えて、定期的に劇団員募集を行う仕組みを作っておくと良いでしょう。
また、一度劇団員募集で入ってきたメンバーが、後に劇団の中心的な存在になることも少なくありません。劇団員募集は単なる人材確保の手段ではなく、劇団の未来を形作る重要なプロセスだという認識を持つことが大切です。
まとめ
劇団を立ち上げる際の劇団員募集は、役者を集めることだけが目的ではありません。小劇場で長く続けるためには、制作スタッフの存在が極めて重要であり、その劇団員募集の難しさを理解した上で、現実的なアプローチを取ることが求められます。
具体的には、まずSNSやオーディションサイト、知人の伝手などを活用して役者の劇団員募集を進めると同時に、制作スタッフについては知人で制作をしている人に有料で依頼するという選択肢を検討してみてください。経験豊富な制作スタッフのサポートを得ることで、公演の質が向上し、劇団としての信頼も高くなります。そして、そうした積み重ねが将来的な劇団員募集の成功にもつながっていくでしょう。
劇団員募集は、劇団の将来を決める重要な最初の一歩です。焦らず、しかし着実に、自分たちの劇団に合った人材を集めていくことを心がけてください。小劇場の世界は決して広くはありませんが、だからこそ、一度良い関係を築ければ長く続けられる可能性も秘めています。
簡単に使えるチケット予約システム トロクレチケット >>